2013年06月19日
PHASE 2
【未知との遭遇】

PHASE 1
父親と共に、神通川第三ダムに架かる笹津の橋の下に降り立ったあの日。
今ではセピア色の遠い記憶になりつつあるが、アルコールが入って感傷的になるとその記憶は鮮やかなフルカラーとなって記憶の地層、奥深くから掘り起こされる。
自分にとって初めての釣りは小麦粉を練った餌を使う浮き釣りであった。
「魚が餌を食べたらあの浮きが沈むから見とけよ~」
その言葉でドキドキして今にも胸がはじけそうになる。
竿先からループを描いて静寂の水面に垂れる糸。
その先でピョコっと直立する棒浮きの下にはあのもにゅもにゅがある。
そしてその周りにはきっと図鑑の中にいるお魚達が・・・
父親がこねていた釣り餌の白いモニュモニュは、心の中でもにゅもにゅもにゅもにゅと膨らんで、、、様々なイメージに生まれ変わっていく。
ドキドキしながら浮きを見つめていると、、、
ぴょこぴょこと浮きが動いた。
「あたってるぞ~」
直後、
『スーっ』
と、音もなく浮きが水面下へ引き込まれていった。
その様はとてもゆっくり、スローモーションのように見えた・・・記憶の中では。
次の瞬間、父親が合わせを入れる。
・・・ここから先は、目の前に魚が横たわるまで記憶が無い。
初めての釣りで出逢った魚、、、それはウグイだった。
父親が近くにあった水溜りにウグイを放してくれた。
創造の世界の生き物が目の前に解き放たれ、もう自分は好奇心の塊だった。
まじまじと眺めてみたり触ってみたり。
鱗がキラキラと輝いていて、触るとヌルっとした感触と共に手の中から必死に逃げ出そうとする。
記憶の中では初めて直に触れたウグイは温かかった。
この瞬間、、、
イメージの中でどうしようもないくらいまでに膨らんでいた白いもにゅもにゅは、無機質な想像の世界から目の前に広がる現実世界の中に生きるウグイへと変化して降り立ったのだ。
釣りって面白い!
お魚さんと会える!!
初めての釣りで衝撃的な感動を覚え、ここから自分の釣り人生が始まるのであった。

PHASE 3へ続く・・・かもしれない。
PHASE 3 (続き)

PHASE 1
父親と共に、神通川第三ダムに架かる笹津の橋の下に降り立ったあの日。
今ではセピア色の遠い記憶になりつつあるが、アルコールが入って感傷的になるとその記憶は鮮やかなフルカラーとなって記憶の地層、奥深くから掘り起こされる。
自分にとって初めての釣りは小麦粉を練った餌を使う浮き釣りであった。
「魚が餌を食べたらあの浮きが沈むから見とけよ~」
その言葉でドキドキして今にも胸がはじけそうになる。
竿先からループを描いて静寂の水面に垂れる糸。
その先でピョコっと直立する棒浮きの下にはあのもにゅもにゅがある。
そしてその周りにはきっと図鑑の中にいるお魚達が・・・
父親がこねていた釣り餌の白いモニュモニュは、心の中でもにゅもにゅもにゅもにゅと膨らんで、、、様々なイメージに生まれ変わっていく。
ドキドキしながら浮きを見つめていると、、、
ぴょこぴょこと浮きが動いた。
「あたってるぞ~」
直後、
『スーっ』
と、音もなく浮きが水面下へ引き込まれていった。
その様はとてもゆっくり、スローモーションのように見えた・・・記憶の中では。
次の瞬間、父親が合わせを入れる。
・・・ここから先は、目の前に魚が横たわるまで記憶が無い。
初めての釣りで出逢った魚、、、それはウグイだった。
父親が近くにあった水溜りにウグイを放してくれた。
創造の世界の生き物が目の前に解き放たれ、もう自分は好奇心の塊だった。
まじまじと眺めてみたり触ってみたり。
鱗がキラキラと輝いていて、触るとヌルっとした感触と共に手の中から必死に逃げ出そうとする。
記憶の中では初めて直に触れたウグイは温かかった。
この瞬間、、、
イメージの中でどうしようもないくらいまでに膨らんでいた白いもにゅもにゅは、無機質な想像の世界から目の前に広がる現実世界の中に生きるウグイへと変化して降り立ったのだ。
釣りって面白い!
お魚さんと会える!!
初めての釣りで衝撃的な感動を覚え、ここから自分の釣り人生が始まるのであった。

PHASE 3へ続く・・・かもしれない。
PHASE 3 (続き)