2013年04月10日
PHASE 1
【始まりの刻】

兎に角、魚に限らず生き物が大好きな子供だった。
親に買い与えられた生き物図鑑に、暇さえあれば貪りついていた。
ページをめくる度、無機質な紙の上に新しい世界が創造され、まるで自分がそこの住人になったかのように惹き込まれていく。
次々現れる新しい生き物に心を奪われ、それらが生きて動いている姿を想像しながらいつの日か彼らに会える瞬間(とき)を夢見ていた。
幼稚園の年長か小学校の低学年だったか記憶が定かではないがある日父親が、
「釣りに行ってみるか?」
と誘ってくれた。
自分が歳を重ねてから色々考えてみるに、それは若かりし頃の父親の息子に対する色々な想いがあっての誘いだったのだろう。
「魚に会える!!」
幼き日の自分はもうどうしようもないくらいにドキドキしていた。
それはもう小さな胸がはちきれんばかりに。
「あの図鑑の中の生き物に実際に会えるんだ!?」
きっとキラキラした瞳で父親を見つめていたのだろう。
息子の興奮を察知してか父親が早速準備を始める。
「うーん、でも今餌が無いから自分で作るか?」
そういって何やら白い粉をこねだした(後にそれが小麦粉だと知る)。
「これで魚が釣れるから。」
父親が水を足しながらこねる白い粉は何やら不思議なモニュモニュとした塊になっていく。
その不思議な塊を見つめながら、この後起こるであろう魚との出会いに想いを馳せていた。
「あの白いモニュモニュで魚に会えるんだ!!」
そして、父親と神通川第三ダムに架かる笹津の橋の下に降り立つ。
これが自分にとって生涯初めての釣りとなるのであった。
続く・・・かも。
PHASE 2 (続き)

兎に角、魚に限らず生き物が大好きな子供だった。
親に買い与えられた生き物図鑑に、暇さえあれば貪りついていた。
ページをめくる度、無機質な紙の上に新しい世界が創造され、まるで自分がそこの住人になったかのように惹き込まれていく。
次々現れる新しい生き物に心を奪われ、それらが生きて動いている姿を想像しながらいつの日か彼らに会える瞬間(とき)を夢見ていた。
幼稚園の年長か小学校の低学年だったか記憶が定かではないがある日父親が、
「釣りに行ってみるか?」
と誘ってくれた。
自分が歳を重ねてから色々考えてみるに、それは若かりし頃の父親の息子に対する色々な想いがあっての誘いだったのだろう。
「魚に会える!!」
幼き日の自分はもうどうしようもないくらいにドキドキしていた。
それはもう小さな胸がはちきれんばかりに。
「あの図鑑の中の生き物に実際に会えるんだ!?」
きっとキラキラした瞳で父親を見つめていたのだろう。
息子の興奮を察知してか父親が早速準備を始める。
「うーん、でも今餌が無いから自分で作るか?」
そういって何やら白い粉をこねだした(後にそれが小麦粉だと知る)。
「これで魚が釣れるから。」
父親が水を足しながらこねる白い粉は何やら不思議なモニュモニュとした塊になっていく。
その不思議な塊を見つめながら、この後起こるであろう魚との出会いに想いを馳せていた。
「あの白いモニュモニュで魚に会えるんだ!!」
そして、父親と神通川第三ダムに架かる笹津の橋の下に降り立つ。
これが自分にとって生涯初めての釣りとなるのであった。
続く・・・かも。
PHASE 2 (続き)